書籍 譚先生の古典鍼灸入門譚源生 著 浦山きか・鈴木達也 訳

 書籍 
譚先生の古典鍼灸入門
 内容紹介 

「鍼灸って何?」「古典鍼灸って何? 学ぶ必要があるの?」「譚先生ってどんな人?」…この本を手にされた方々は、きっとこんな疑問をお持ちでしょう。 本書はその疑問にひとつずつお答えしながら、あなたの思考を遥か古代へとお連れするものです。 古典鍼灸の世界に一歩足を踏み入れてみましょう。ひとたびその世界に触れれば、鍼灸の知識を得られるだけではなく、健康を享受し、日常生活の知恵を得ることもできるはずです。 
 

推薦の言葉(本書より引用、肩書きは当時)

 
本書は、古典を高所から俯瞰し、針灸理論上最も大事なことをおさえてあり、彼自身の経験と先人の成果とを凝縮したものである。本書が困難を乗り越えて成し遂げたことは、針灸における「道」と「術」をともに尊重しつつ、理論と実戦とを密に関連づけたことである。針灸が伝承と革新のはざまにあるこの特殊な時期にあって、本書は針灸学に対し、大いなる貢献をするに違いない。」

世界針灸学会連合会主席
鄧良月

 
「「道」と「術」、さらに「古典鍼灸」、これらはまさに近年、私が頭を悩ませて思索し、答えを求め続けてきた問題であった。
 本書を見たとき、内心どんなに驚き、励まされたかはいうに及ぶまい。この世界に、同種の問題に思考をめぐらしていた人間が、少なくとも自分のほかにもう一人いるということを知ることができたからだ。」

中国中医科学院主席研究員
黄龍祥

 
「家系10 代とは、おおよそ300 年続くことを意味する。
 本書は、…(略)…中医の家系の末裔が、古典を踏まえた中医鍼灸の真髄を掴み、再構築し直そうとする試みをしたためたものである。「第二章 用い易く忘れ難し」…(略)…に、「鍼灸を学ぶ際に大事なのは、鍼灸の基本となる原理、則ち鍼灸の道理を明らかにすること」であり、そうすれば「大道至簡」を実践できると述べているが、正にその実践のための書である。
 譚氏のその実践には、江戸期の菅沼周桂の心意気に通じるものがある。その理論構築には、1940年代に、日本で古典を踏まえた経絡治療を誕生させた先人の熱き思いとその手法に近いものを感じる。
 今後は、…(略)…中国のみならず、世界に影響を与える鍼灸をも示してくれるのではないか…(略)…。それは、現代中医鍼灸に一石を投じるものであろう。」

筑波技術大学名誉教授
WFAS 副会長
形井秀一

 
「本書は、…(略)…経絡の扱い方、是動の具体化がポイントとなっており、一つの働きかけがさまざまな影響を及ぼすことを重視し、触擦によって経絡の反応を探る臨床的な姿勢を示している。
…(略)…独自の診断方法である「16点法」を提唱し、特定点の圧痛を点数評価することで病者の主観を客観化した。診察の質を高め治療効果の判定を容易にしただけでなく、経絡の診断によって詳細を知ることと、合理的に診ることとを両立させたのである。
…(略)…本書は、結果を出すための工夫を実にシンプルに紹介している。まず治すことを重視していることは、初学者に親しみやすいだけでなく、臨床でのヒントを渇望している方々にも朗報となろう。」

経絡治療学会 学術部員
いわなみ鍼灸院 院長
東京医療福祉専門学校 鍼灸マッサージ教員養成科 専任教員
橋本 厳



「(引用者注:本書を)読んでいると中国のことわざを引用した美しい表現の文章のあいだから、著者の鍼灸に対する愛がひしひしと伝わってきます。…(略)…
 著者は、…(略)…深い知識を基に、難解な事柄をわかりやすい言葉に置き換えて、皆にアピールするのです。鍼灸を勉強する上で最も重要な学問であるにもかかわらず難解なものとして敬遠されがちな易や陰陽思想も、誰にでも理解しやすい言葉で一番大切な基本の思想を説明してくれます。さらにそれだけにとどまらず、一気に深い臨床レベルまで無理なく読者を誘導してくれるのです。…(略)…
 これから中医学を勉強するすべての方に、まず初めにこの本を読んでいただきたいと強く願います。また、意気揚々と鍼灸学校に入ったものの迷路に迷い込み勉強が辛くなっている初学者から、長年の臨床経験を積んだ臨床家の方々まで、鍼灸を学ぶあらゆる方々に広くこの一冊を推薦します。」

千葉大学医学部 非常勤講師
和光鍼灸治療院・漢方薬局代表
平地治美
 著者プロフィール 
譚源生
Gensei TAN

1981年湖南省出身。先祖代々中医師の家の十代目。中国の伝統文化と伝統医学に造詣が深い。2002年に湖南中医薬大学針灸学系を卒業し、2006年に中国中医科学院の硯士(日本の修士)課程を卒業。2006年から2014年まで世界鍼灸学会連合会(WAFS)副秘書長兼学術部主任を務めた。中国中医科学院で、特診医師として治療に当たっている。

 訳者プロフィール 
浦山きか
Kika URAYAMA

2000年、博士(文学、東北大学)。2007年、『漢文で読む『霊枢』(アルテミシア、2006年)により第21回間中賞受賞。平成25年度科研費(研究公開費・学術図書・205010)により『中国医書の文献学的研究』(汲古書院)刊行。現在、東北大学史料館・協力研究員、森ノ宮医療大学・鍼灸科客員教授、赤門鍼灸柔整専門学校・非常勤講師ほか。

 訳者プロフィール 
鈴木達也
Tatsuya SUZUKI

1994年、信州大学繊維学部卒業。2002年、天津中医学院(現 天津中医薬大学)中医系卒業。2007年、赤門鍼灸柔整専門学校卒業。2007年、仙台市内にて有朋堂針灸治療院を開院し現在に至る。
資格:中医師(中国中医類別執業医師)、はり・きゅう・あんま・指圧・マッサージ師。

 書誌情報 

著者:譚源生|訳者:浦山きか・鈴木達也|A5判 並製 224頁|定価 2,640円(税込)|ISBN978-4991126307